複業の実態と経産省の提言

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(出展:ぱくたそ)

皆様はじめまして!

新たにライターとして参加した「ゆう」と申します!
現在会社員(社会人10年目)をしながら大学に通い、『複業』を研究しています。
また、中学生の1児の父としても頑張っています!

パラレルキャリア通信の編集部の一員として、今後は複業に関する学術的な話などを発信していこうと思います。

 

 

さて、安倍内閣が力をいれる「働き方改革」では、複業も1つの重要なトピックとして扱われています。

今回、経済産業省が日本の現状を広く取りまとめた提言書を公開しました。その結びでも「パラレルキャリア・ジャパンを目指していく」と書かれており、その本気度が伺えます。

では現在の日本の状況はどうなのか、提言書の内容を抜粋してご紹介します!

 

 

 

◆実際、複業してる人ってどれくらい?

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(出展:ぱくたそ)

2017年2月の調査時点で

 

『複業をしている人は234万人』

 

一見多そうに見える人数ですが、実は全就業者に対する割合にして3.6%。世界が100人の村だったら4人もいない計算です。複業を希望する人は368万人で、比率にして5.7%。就業規則で禁止されていることもあり、まだまだ多いとは言えない状況です。

 

ではどれくらいの企業が複業を禁止しているのか?

調査によって若干値は変わるものの、70%以上の企業が該当しました。

 

 

主な理由は「社員の長時間労働、過重労働を助長する」「情報漏えいのリスク」などが挙げられます。

しかし、これに関して意外な一文が!

“兼業・副業を禁止するにあたっては、就業規則上において禁止している割合が高いが、就業規則上にはないものの、慣例として禁止している企業も相当数存在している”

 

就業規則上にはないものの、慣例として禁止している

 

それって、企業側は何も考えていないってこと…?

複業禁止問題の闇の深さを感じます。

 

 

 

◆国が考える複業のメリットとデメリット

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(出展:ぱくたそ)

これまでの議論において、複業の影響は次のようにまとめられています。

 

このなかでも、特に提言書で期待されているのが次の3点です。

・オープン・イノベーションの促進

・自己実現、人材育成の促進を通じた一億総活躍社会の創出への貢献

・成長産業である地方の中小企業や公益的な事業分野への人材供給の活性化

 

 

オープン・イノベーションはまさに複業のお家芸。

潤沢なリソースを持った大企業と尖った技術を持つベンチャーの相乗効果に期待ができますね。自己実現については活躍の場所が複数あることによって、様々な相乗効果が得られそうです。

これについては「実践共同体」という理論もあり、いつか別の記事にまとめたいと思います。地方への人材供給は、同じく安倍内閣の検討課題である地方創生と相まって結果が出ることを期待したいところです。

※複業を実践されている方は実際に体感されているのではないでしょうか。

 

 

 

◆今後、複業はどうなるのか?

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(出展:ぱくたそ)

提言書では「労働者は、労働契約に依って定められた就業時間のみ労務の提供義務を負うのが原則である。」とし、それ以外の時間での複業は労働者の自由であるとしています。

よって、企業が不当に制限できるものではない、とも。非常に強い方針が打ち出されており、今後の議論に期待が高まるところです。

 

 

一方で、「具体的に本業に支障がでたところで、人事考課で低く評価するなどの方法で対処すべき」としているので、当然ですが、労働者としても「絶対に本業の手は抜かない」との覚悟も必要となりそうです。

 

 

今後は

・企業をまたいだ労働者の労働時間をどう考えるのか?
・健康を損ねた場合、どの企業が責任をもつのか?

などが制度上の論点になってきます。

長時間労働が問題となっている昨今、非常に重要な観点だと言えますね。

 

 

複業の解禁に向けてはこれらの法律や制度的な検討も重要ですが、何より複業自体が当たり前という社会の気運が大切です。提言書では、そういった社会の実現に向けて「強力に情報発信する」ことや、「公務員の複業解禁」、更には複業解禁に取り組む企業のサポートなどにも言及されています。

 

 

ただの現状調査や課題のあぶり出しに終わらず、今後への意気込みが感じられる非常に前向きな提言書でした。提言書では実際に複業をしている人達の経験談も多数掲載されています。

※是非詳細はコチラから

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか?
大学で研究していることもあり、色んな複業に関する学術書などを読む機会が多いので、今後こういった部分や、実際に複業をしている人にあって感じたことなどもまとめて発信していこうと思います。

個人でもブログをやっていますので、コチラも是非!

夕方5時のチャイム

 

 

 


【参考/引用】
◆経済産業省
兼業 ・副業を通じた創業 ・新事業創出に関する調査事業 研究会 提 言

投稿者プロフィール

パラレルキャリア通信 編集部
パラレルキャリア通信 編集部
パラレルキャリア通信編集部です。主に複業(副業)の方向けの記事を書いていきます。ノウハウ記事をはじめとして、実際に一歩踏み出せるための記事も提供していきます。
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