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記事提供:「助っ人」は起業、独立、開業を応援するメディアです
地方での起業は今後今以上に重要な意味を持ってきます。
日本の地方が死なずに、活気を持つことができるか?
間違いなく今後の地方起業家の活躍にかかっているわけです。
今回も助っ人さんの記事から考えていきたいと思います!
◆同条件で27万円も安い!?地方で起業する3大メリット
多くの人が「Iターン」「Uターン」そして「Eターン」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?
起業する場は東京や大阪といった都市部ではなく地方にも広がってきました。では、地方での起業は都市部での起業とどのように異なるのでしょうか?気になる点をまとめてみました!
1.起業コストが抑えられる
賃貸料・土地代・人件費が安く、起業する際のコストが抑えられます。
例えば、オフィスの家賃についてみると、
東京都千代田区のオフィス家賃の平均は14000円/坪(TAKE OFFICE調べ)
一方で、徳島県徳島市のオフィス家賃の平均は4000円/坪(HOME’S調べ)
実に3~4倍の差があることをわかっていただけるでしょうか?
人件費についても
例えば、東京の最低賃金 932円
徳島県の最低賃金は 716円
と2割から3割安いことがわかります。
東京で5人規模のオフィスを構えると
人件費932円×8時間×5日×4週間×5人+10坪のオフィスの家賃(140000円)=885600円
人件費716円×8時間×5日×4週間×5人+10坪のオフィスの家賃(40000円)=612800円
1か月でランニングコストが27万円違います。起業家にとって月々のコストは大変重要です。特に労働集約型のビジネスであれば人件費の違いは無視できないのではないでしょうか?
2.のびのびとした環境で仕事できる
地方での起業は、自然環境に恵まれ、のびのびとした気持ちで仕事に取り組めます。
庭に生えた切り株に腰掛けながら会議をし、小川に足をつけながら仕事を進め、夜には星を眺めながらビールを飲む。そして家と職場は徒歩30秒。ほぼストレスのない環境でクリエイティブな時間が過ごせます。
月に1週間は地方出張に行きますが生産性がとても高いと思っています。理由は東京と比較するといろいろな誘惑が少ないこともそうですが、新鮮な気持ちで働くことができるからです。特に地方に馴染のない方であればあるほど、自然の持っている力を感じることができると思います。
3.地方に特化した優遇制度(補助金・助成金・販路支援など)が充実している
①補助金
地方は、起業家を誘致するために様々な補助金を用意しています。
早くから起業家支援を行っている和歌山県の例を見てみましょう。
和歌山県では、全国でも先駆けて2012年度から「移住者起業補助金」を行っています。
この制度は、和歌山県内の移住推進市町村(※)の支援を受けて同市町村へ移住するまたは移住した60歳未満の方で、起業し10年以上定住する意志のある個人を対象としたものです。
地域資源を活用した起業を条件としていますが、事務所賃貸資金や機械設備購入費など、起業にかかる経費を100万円以内で補助する制度です。
また、和歌山県では資金面でだけではなく、ノウハウの支援も行っています。2016年6月には和歌山市と田辺市で「創業セミナー」を開催しました。さらにわかやまビジネススクエアというインキュベーションオフィスを設立して、起業家を様々な側面からバックアップしています。
次に長野県の例を見てみましょう。
長野県は「日本一創業しやすい県づくり」を目指しており、相談窓口での相談・助言、ホームページやFacebook等による創業支援策などの情報提供、各種創業セミナーの開催、地域の支援機関と連携による支援を行っています。
また、信州ベンチャーサミットという県内のベンチャー企業等の成長・発展を支援するために、ベンチャー企業や起業家が、企業経営者や投資家などに事業や構想を発表する場を提供するなど、起業家のコミュニティーづくりにも積極的です。
税制面においては、長野県内で新たに設立された中小法人(資本金1,000万円以下)の法人事業税を、3年間全額課税免除しています。長野県長野市では市内に移住して起業する50歳未満の人を対象に初期投資位費用を支援する「長野市移住者起業支援金」を2016年からスタートしました。首都圏からのアクセスの良さや、このような支援態勢が整っていることなどもあり、長野は常に人気移住先の上位となっています。
②クラウドファンディング
別名、ふるさとクラウドファンディングと呼ばれるFAAVOは全国の各エリアごとに地域活性化に関するプロジェクトを掲載し応援してくれるサポーターを募っています。
各都道府県や地域に根差したプロジェクトが多く存在し、サポーターはその中から応援したいプログラムをチョイスすることができます。
もう一つのクラウドファンディングサービスは「ふるさとチョイス」です。こちらはなんと今話題のふるさと納税を選べるサービスになります。もちろんふるさと納税の返礼品をもとに納税することもできますが、地方の課題を解決するためのプロジェクトに資金を出すこともできます。
地元を離れた人は「故郷」を常に気に掛けています。このように地方から上京した人たちがクラウドファンディングを介し地域活性化を行っています。また、賛同できる企画があれば、週末を利用して「故郷に帰省」し、プロジェクトに参加するサポーターも多いです。
いかがだったでしょうか?
地方での起業は一般的な人がマイナスのイメージを持っているからこそかえって行政からのバックアップを受けることができます。
資金面・人材面・環境面で優れる地方で起業するのは何をやればいいかわからないという起業家にとっても事業に必要なすべてをそろえることができるチャンスなのではないでしょうか?この記事を読んで地方での起業を検討くだされば幸いです!
◆地方起業で言われる2大デメリットに喝を入れる
地方で起業するメリットが資金面・人材面・環境面である、一方で、たしかに地方で起業するデメリットは存在します。
1.通信環境が整っていないのでは?
地方ではインターネット環境が整わず、ネット速度も速くないという印象を抱かれる方も多いです。
一部の地域では光回線の提供エリアではないため、ADSLを使う必要性が出てきます。この場合、ネットの速度は大幅に低下します。しかし、このインターネット環境を産学官の連携で東京よりも優秀なネット環境に改善しようとしている場所があります。
宮城県女川町です。女川は東日本大震災で大津波が押し寄せ、大規模な被害が起きました。
大震災ののち、女川町は移住促進や創業本気プログラムの実施など起業家の支援に積極的です。その内容は非常にさまざまです。創業まではしないが何か地方とかかわりを持ちたいという人向けに女川町の見学ツアーやフィールドワークを提供しています。本気で創業を考えているという人向けにはスタートアップに必要な学びの場や地方の巻き込み方を勉強するセミナーを実施しています。
※実際にこのプログラムから地元の商品を全国に向けての販売、ビール製造などの会社が誕生しました。
そんな新たなことに挑戦し続ける女川では災害に強い無線ネットワークの実証実験を行いました。災害時には安否確認などの通信が集中し、一部の中継局が災害で使用不能となってしまうため通信障害が発生します。これは東京や都市部も例外ではありません。しかし、女川では通信の集中が起きにくい構造を持ち、無線局の損傷やネットワークの切断があっても機能を最大限維持する特徴を備えた、耐災害ワイヤレスメッシュネットワークがあります。
災害時における通信の確保は企業にとって非常に重要なことです。地方でも最先端通信方式の実証実験区域では東京よりも通信設備が整っている場合があります。しっかりと下調べをすれば通信設備がしっかりしている地域での起業も可能です。
2.地方はビジネスにおける市場が小さいのでは?
地方は人口が小さく、市場が確保できない。地方ではビジネスが成り立たない?
本当にそうでしょうか?
答えは地方でやるのには適したビジネスを行えば、十分に成り立ちます。
まず、商品を地元で販売することを考えてみましょう。
お店を出したとしても、人がいないし、その人たちも散らばって住んでいるので集客が大変です。また、高齢化により購買力が落ちているので売り上げは伸びないでしょう。お店を出すにはかなり厳しい環境です。何も考えずにお店を出すのは自殺行為と言わざるを得ません。
では、どんなビジネスが適切なのでしょうか?
地方でビジネスを展開するメリットとして、賃貸料・土地代・人件費が安さ、環境の良さ、地元の名産品の存在があげられます。
これらをそれぞれ生かしてみましょう。
①賃貸料・土地代・人件費が安さを生かす
たとえばインターネットの小売店で広大な倉庫や多数の在庫を抱えている場合はどうでしょうか?東京でオフィスや倉庫を構える場合はかなりのコストが必要になります。
例えば、東京で30平米の倉庫を借りるのに月6.5万円
品出しのために1人雇うために東京の最低賃金 932円8時間×3日間×4週間=約9万円
つまり1か月のコストとして15万円、最低はかかることになります。
しかし、地方では空き家を市町村がタダ同然の賃料で貸してくれる場合もありますし、品出しや棚卸の際は地元の安価な労働力を活用できるでしょう。
もし、倉庫代がタダであれば、
人件費716円×8時間×3日×4週間=約7万円
コストは半分以下!これはネット通販を行う企業にとっては大きな違いです!
このように地方でのコストは小さいので物流さえ整っていれば地方に倉庫を構えるのはありですね!実際にネット通販で商品を頼んだ時に地方から送られてきた経験がある読者もいらっしゃるのではないでしょうか?
②環境の良さ、地元の名産品を生かす
地方が各々持っているのが地域ならではの伝統工芸品や食品です。
最近はやっているのがアンテナショップです。東京にも各都道府県のアンテナショップがあり、アンテナショップの中には移住や地方での起業を相談する窓口が設けられている場合もあります。
地元の良さを生かしているのが、西粟倉村です。
岡山県の最北東端、兵庫県・鳥取県と境を接する山間にあるこの村。面積の約95%を山林が占める、人口1,500人ほどの小さな村です。この村が生かしているのが山林の「木」です。
この村では、エコツーリズム、エネルギー活用を行って村の自然を生かしています。
具体的には、とある旅行代理店が五感を大事にしたただの買い物では終わらない自然体験ツアーを実施しています。企画したのが家族向けのツアー。都会では経験できないことを、西粟倉村がどれだけ体験のお手伝いできたかがヒットの要因となったようです。
いかがだったでしょうか?
デメリットが多いように思える地方起業ですが、下調べを行って最適な場所とビジネスを選べば成功への糸口は見えてくるようです。ぜひ地方で起業を行ってビジネスの成功を掴んでください。
◆地方で起業することができる業種を大公開!
地方で起業するのは難しいのでしょうか?
答えはNO!
しっかりと地方起業のメリットとデメリットをおさえ、デメリットが発生しないような業種を選べば、東京よりもかなりよい資金的、税制的なサポートがある状態で起業できます!以下、二つの業種を上げてそれぞれの業種で起業するメリットを上げます!
1.地方での起業IT編
IT企業といえばやはり本場はアメリカですよね!
アメリカの世界的に有名なITベンチャーは田舎で生まれたものが少なくありません。
例えば、マイクロソフト。
マイクロソフトの本社はシアトルの東にある人口6万人ほどの小さな町、レドモンドにあります。マイクロソフト本社はマイクロソフトキャンパスというくらい広大な敷地を有しています。このようにマイクロソフトが郊外に立地する理由はなんでしょうか?それは、諸経費をおさえられること。地方は賃金水準や土地代、賃貸料が安いです。起業してすぐはオフィス維持などにお金をかけることなく、とにかく諸経費を抑えて事業を軌道に乗せなければいけません。
ITはインターネット環境さえあれば、地方でも起業が可能な職種です。自然あふれる場所で新鮮な空気を吸えば、開発の新たなアイデアが生れるかもしれません。
グーグルもマイクロソフトもアップルもガレージや小さな倉庫でスタートしました。日本の地方にもそのような物件は数多くあり、賃貸料・人件費で浮いたお金は事業を拡大させるための商品開発、集客、販売方法などの勉強費や委託費、新たな人材を雇う費用に充てられるというわけです。
過疎対策のためにITベンチャーを誘致している企業もあります。徳島県神山町、この地域は山間地域であり、近くの町に出るためには一時間に一本のバスに乗らなくてはなりません。しかし、この地域には全域、光ファイバー網が整備されており、ITベンチャー9社がサテライトオフィスを開業しています。
あるITベンチャーのオフィスは空き家だった一軒家、諸経費はすべて含めて1か月10万円以下であるということです。IT企業の進出は現地での雇用を生みました。コールセンターを開設した企業は現地で5名スタッフを採用しました。現地の若者は地元を去ることなく、就職することができました。このように地方で、IT起業することは会社のコストを抑えられるだけでなく、社会貢献の手段としても有効です。
また、地方での起業の場合には、ネットをいかに活用するのか?という意味で、いわゆる副業に近いマネタイズの方法というものも参考になると思います。副業に関するまとめを助っ人でもつくっているので是非ご覧ください。
2.地方での起業地元の産業を生かす編
地域の特産品や伝統工芸品を生かす方法はどうでしょうか?
東京には最近、各都道府県のアンテナショップが出店しています。
ご当地ブランドの商品を販売し地方の観光PRを行っています。地域限定商品は人気が出やすく、成功を収めた事例が多いです。地方の特色を生かした商品やサービスはブランディングがしやすく各地方自治体も力を入れています。
たとえば、今回は宮崎県の完熟マンゴー「太陽のタマゴ」を紹介します。最上級のものなら1個1万円は下らない高級果物ですが、ギフトを中心に大ヒットして今や人気や知名度も高いです。百貨店などで見かけた方も多いのではないのでしょうか?
太陽のたまごは宮崎県が主体となって開発したマンゴー、ですがそのブランディングの方法が目を見張ります。最初から県外に売り込むのではなく、宮崎県内で集中的に販売を行い、県民への認知度を高めました。次第に、県内の人が県外の人へのギフトとして活用するようになり、大きな販路が確立されました。まず、地元に広めることが重要であったといえます。また、県民が主体となってブランディングに取り組んだことが成功の鍵であったようです。
このような、地域特産品を生かす取り組みが広がっています。島根県海土町では、U・Iターン者による地域活性化を目的として地元資源の再発見・ブランド化、そして、教育環境の向上が目指されました。具体的には、岩ガキ・ナマコ・隠岐牛など地元産物のブランド化や冷凍技術を活用した白いかや岩ガキ等の加工販売・販路拡大などに対する取り組み、そして、高校の魅力化プロジェクトに取り組むことで島外からの生徒の積極的な呼び込むや公営塾の設置等による教育の質の向上を行う取り組みを行ったことです。このような取り組みは行政主導で行っているがU・Iターンで起業した人々も参加しており、彼らは特産品の販売を自らの会社で行っています。
以上述べてきたように、地方で特産品を販売する際は行政からのバックアップだけではなく、地元の人々からも多くの支援を受けることができるというメリットがあります。
いかがだったでしょうか?
日本の地方には場所によって大きな特色があり、その特色を生かした起業が可能です。
起業してどういうビジネスをすればいいかわからないということは地方でビジネスする場合はほぼないといえます。地方の良さを見つけてそれを生かすか、ブランディングする。これが地方で起業するときの鉄則なのかもしれません。あなたの故郷やよく行く地方の特長を想像見てください。そこにビジネスのヒントが眠っているはずです。
地方での起業に限りませんが、是非起業に関する失敗の話は知っておいてください。
※本記事の提供元はこちら
【参考/引用】
◆助っ人
地方起業のメリット・デメリット・おススメの起業業種のまとめ
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- パラレルキャリア通信編集部です。主に複業(副業)の方向けの記事を書いていきます。ノウハウ記事をはじめとして、実際に一歩踏み出せるための記事も提供していきます。