目次
こんにちは。「雇われ起業家」の千代窪(ちよくぼ)です。
今回は、フリーランスエンジニアから「雇われ起業家」に転身して10ヶ月目に入ったので、これまでで分かったエンジニア業との違い、そしてそこから感じたブランディングの重要性と私の例をあげたブランド設計のお話をします。
▶︎案件獲得がしやすかった、エンジニア業
エンジニア業の場合
やはりエンジニアは需要があるので、今思えば仕事を見つけるのは正直、楽でした。
エンジニア向けの案件紹介サービスも豊富なのでそういったところに登録しておけば、経験やスキルがそれなりにあれば困ることはないと思います。
※ちなみに私はフリーランスデビューの時に「PROsheet」にお世話になりました。
そういった経由ではなくとも、交流会系のイベントに行って「エンジニアです(ニコッ)」と話しかけたり、SNSで「お仕事ください〜」アピールをすれば、何かしらすぐ見つかる印象です。仕事を選ばなければ、ぜんぜん食っていけると思います。
雇われ起業家の場合
「雇われ起業家」になりたての時は、知り合い直や知り合い経由での紹介がメインでしたが、そのうちオーガニックで雇われ起業家のランディングページへ問い合わせが来て案件化したりもしました。
あとは文系フリーランスの黒田さんが運営している「FreelanceNow」経由で案件化したものもあります。
でも基本的に「雇われ起業家」という得体の知れない肩書きなので、自分から何をやっているのかちゃんと発信していかないと案件を継続的に獲得していけないことに最近気がつきました。
ネーミング的に初対面での食いつきはかなりいいのですが、エンジニアのように今すぐの顕在化されたニーズを抱える企業や人とのマッチングにはなかなかならないのが現状です。
▶︎マーケティング、大事。
エンジニア時代には、自分をブランディングしてマーケティング、営業して売りこもう。なんていう考えとは無縁でしたが、職種によってはちゃんとその辺りを戦略的にやらなきゃだめなんだなということを学びました。(もちろんエンジニアでもしっかりやっている人はいますが)
以前も別記事でシェアした、いわゆる「ご祝儀案件」(詳しくはこちら)の恩恵もそろそろな印象です。
新規サービスをローンチしたからといって、何もせず勝手に広まることはないように、やっぱりきちんと自分を売り込む戦略を考えなければいけません。
自分自身を商品と捉えてマーケットへ売り込んでいくという感覚が身につくのは良いことだし、これからの時代を生きる上では必要なことだと思うので、ここからちゃんとやっていこうと思います。
▶︎パーソナルブランドを作り上げる
「雇われ起業家」という仕事自体は実験的に始めてみたところが大きく、これまでは「どういったところが実際にクライアントに刺さるか」であったり、「自分はどこの領域で価値発揮できるのか」という検証を行っていた部分もあります。
なのでこれからは、これまでの実戦から学んだことを活かしてターゲットを絞り、自分はどんな価値を提供する存在なのかということを、もっとわかりやすくマーケットへ伝えていこうと考えています。
そこで今回参考にしたのが、こちらの本。「パーソナルブランディング」です。
「 レジバレッジ・シリーズ」で人気の本田直之さんが訳者をやられてますね。
この本では冒頭に以下の記述があります。
いかにいい仕事をしようとも、世間はあなたのビジネスに関して無関心であると常に心せよ。
あなたがなすべきことは、自ら顧客をつかみ、振り向かせることである。
そして、そのために有効なのが「パーソナルブランド」を作り上げることです。
パーソナルブランドとは、「強力、明晰かつ前向きな人物像であり、人々があなたのことを考えるたびに心に浮かぶもの」です。
そしてこれは以下3つのことを人々に伝えることによって実行されると言います。
- あなたは誰なのか
- あなたは何をしている人なのか
- あなたが違うところ、あるいはターゲットとするマーケットに対してどんな価値を提供するのか
こういったことを意識的に仕立てあげていくことで効果が発揮されるということです。
本書では、12ヶ月でパーソナルブランドを構築していくステップが語られていますが、ここではその中核となる「パーソナルブランドステートメント(PBS)」の作成について、私の例をあげながら考えてみます。
ターゲットとするマーケットの選定
まずはターゲットの選定です。これまでに取引をおこなった顧客について、以下の質問に答えていきます。
- どの得意先によって最も高い時間単価が得られるか
- どの見込客が自分のワークスタイルを受け入れるか
- どの見込客が最も成長をもたらす可能性を秘めているか
- どの人々と取引をするのが最も楽しいか
(他、割愛)
私の場合、これまで「雇われ起業家」としてスタートアップやベンチャー6社とお仕事させてもらいましたが、会社規模やコア事業のあるなし、社内リソースの充実度などに違いがありました。それによって、自分のコミット量と単価のバランスにもかなり差がありました。
そこから、自分がこれから仕事をしていきたいと思う顧客の特徴を洗い出し、以下のように整理しました。
(例)
- コア事業を持つベンチャー企業
- 社員数100名以下
- 平均年齢が20代後半〜30代前半
- ラフでカジュアルな社風
- toCサービスを持っていないが、作りたい
- 新規事業を立ち上げなくてはならない理由がある
- リーンスタートアップやデザイン思考の実践経験が乏しい など
特化の対象を決定する
特化とは「より限定された範囲でのサービス分野におけるスペシャリストとして自分を位置付ける」ということです。
私はこれまでやってきた新規事業立ち上げに関わる業務内容として、アイデア発想、ビジネスモデル整理、仮説検証プロセス設計・実行、システム基本設計、プロジェクトマネジメント、デジタルマーケティング環境の設計・構築…など広範囲で、役割としてもファシリテーター、プロセスコンサルタント、システムエンジニア、プロジェクトマネージャー、グロースハッカー…など多岐に渡っていました。
これだと新規事業立ち上げに関する「何でも屋」状態なので、ブランディングとは相性があまり良くないです。
そこで、これまでの実践経験から業務領域を「仮説検証フェーズにおけるプロセス設計コンサルティング」に絞り込むこととします。
ポジショニングとPBSの書き上げ
ポジショニングとは、「自分がターゲットとするマーケットの人々の心に自分の居場所を確保すること」です。
あなたが誰であり、どのような仕事をするかということの決定づけ、そしてUVP(ユニークバリュープロポジション)の明確化を伴います。そして、そこにはあなたのライフスタイルやパーソナリティも香りづけとして付随します。
UVPとは「見込み客に対してあなたがどのように便宜を提供することができるか、あるいは自分のマーケットであなたが、他の誰とも違う理由を伝える」概念です。
以下に、それぞれを明確化するための質問をリストアップします。
あなたは誰なのか
- 自分の職業やその一環として行なっていること
- 自分の仕事で優れている領域
- 自分の収入の大半を生み出している領域
- 需要が最も高いサービスで提供可能なもの
(例)仮説検証フェーズにおけるプロセス設計
あなたの仕事は何なのか
- あなたが提供する三、四件の特定的な高付加価値サービス
- サービスを提供する相手(理想的な顧客となる人々や企業のイメージ)
- あなたの顧客との取引における関係(忠実、個人的、気軽など)
(例)誰も使わないプロダクトを作り上げるリスクを下げるプロセスコンサル、コア事業のある新規ITサービスを立ち上げたいベンチャー企業、ラフで対等な関係
UVP(ユニークバリュープロポジション)
- あなたと取引をすることによって得意先が得るもの
(例)使いたいと思う顧客が存在する新規ITサービス、会社の事業の柱となり得る新規サービス、新規事業立ち上げプロセスの体得
ライフスタイルあるいはパーソナリティ
- あなたのライフスタイルや趣味など、あなたがターゲットとするマーケットへのアピールとなる要素
(例)イベント好きで様々なコミュニティに関わっている
そして、これらの質問に答えた集大成として一つの文章にまとめたものが、PBS(パーソナルブランドステートメント)です。
PBSは「自分が見るために作るものであり、自分のパーソナルブランド、あるいはブランドを基軸に推進されるマーケティングの方向性を示すもの」です。
今回私の作成したPBSは以下になります。
「会社の新しい柱となる、既存事業とは別領域での新規ITサービスを立ち上げたいベンチャー企業に向けて、誰も使わない製品・サービスを開発するリスクの回避に導く、立ち上げプロセス設計専門の多様な人脈を持つイベント好きなコンサルタント」
このPBSがマーケティングの方向性を示すコンパスとして機能し、今後自分のパーソナルブランドを広めるにあたっての指針となっていきます。
本書では、ここからブランド戦略を具体的に展開していくステップに入りますが、実際に私もこれから実践していくフェーズですので、その内容と共にまたご紹介できればと思います。
【参考/引用】
◆書籍
『パーソナルブランディング 最強のビジネスツール「自分ブランド」を作り出す』
投稿者プロフィール
- 「自分の人生に主体的に生きる人を増やす」というビジョンの元、「雇われ起業家」としてフリーランスの新規事業立ち上げ屋さんとして活動しています。働き方や生き方に興味があり、大企業・ベンチャー・スタートアップという大小様々な会社や、正社員・個人事業主・経営者といった形態で働いてきました。私自分がやりたいことに悩んで試行錯誤を重ねてきたので、その実体験をベースに同じように働き方や生き方に悩む人にとってヒントとなるような情報を発信します。
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