目次
記事提供:「助っ人」は起業、独立、開業を応援するメディアです
いざ起業をしよう!と思った時、起業についての形を決める必要があります。
大きく分ければ、「個人事業主」か「法人」なのかという2つに分類されます。
<個人事業主とは>
自分で事業を営む個人のことを言います。一般的には「屋号」を持って営業することが多いです。飲食店としての「○○屋」や、建設業としての「○○サービス」など、株式会社や合同会社といった名称の付いていないものを通常、屋号と言います。細かい点では、個人事業主の代表者を社長とは呼びません。
個人事業主の事業年度は誰もが1/1-12/31と決められています。この間の売上や経費を税務署に報告して、それに対応した税金を納付することとなります。申告の時期は翌年の2/15-3/15となります。
一方で…
<法人とは>
これは法人格という言葉があるように、1つの別人格ができるものとするとわかりやすいです。
従って、社長さん個人と法人のお財布は別になります。この相違とかかる税金が所得税と法人税に分かれることから節税という話が出てきます。また法人については法務局がその管轄省庁となります。設立時の手続き(登記)について、その提出先は法務局となります。法務局では、履歴事項全部証明書というものを誰でも取得できます。法人名や本店所在地などいくつかの項目が分かっていれば、すべての法人についてこれを閲覧することが可能となります。
本日はこれら個人事業主と法人の違いについて助っ人さんの記事から解説をしたいと思います!
◆ 開業時の手続き
個人事業主としての開業は非常に簡単です。税務署に『個人事業の開業・廃業等届出書』という書面を出せば完了です。通常は『青色申告承認申請書』と共に提出します。
一方、法人としての開業については、前述の通り、法務局への登記手続きが必要となります。登記手続きに際して必要な書類は、大まかに2つに分かれます。『定款』と『登記申請書類一式』です。
『定款』とは通常、第1条の商号から始まり、第40条程度の項目を記載する、法人の設計図のようなものです。これについては、ただ作成して提出するだけではなく、公証役場での認証を受けなければなりません。公証役場とは、遺言の認証等を行う、文書を公的なものとして認める機関のことを言います。一点、合同会社については、こちらの認証手続きは不要となります。
『登記申請書類』については、登記申請書や就任承諾書、払込証明書などの一連の書類のことを言います。これは法務局に提出する書類のことを言います。
『定款』、『登記申請書類一式』これらを揃えて法務局に提出することを登記と言います。提出した日付、すなわち登記日が法人の設立日となります。法的にはこの日付より、法人が存在しますが、そこから登記簿謄本を取得できるようになるまで1週間程度の法務局側の手続き期間が発生します。
登記簿謄本が無ければ、通常は何らかの契約や、法人口座の作成ができませんので、この点には注意が必要です。
◆銀行口座について
事業を行うにあたって、金融機関の利用は欠かせません。
個人事業主の場合、これは個人口座を開設するということになります。多くは屋号を口座名義に入れます。こちらについては、通常の個人口座ですので、作る際の審査などありません。通常は1週間もあれば、通帳がお手元に届くものとなります。
一方で、法人が銀行口座を開くことにはハードルがあります。現行、メガバンクでは、新規での法人口座開設は難易度が高く時間がかかるケースがあります。信用金庫や信用組合といった金融機関であれば審査は比較的、緩やかです。
ここについては、法人であり尚且つ決算を終えていない状態を、金融機関がリスクと見るためにこのようなことが起きています。事業に関する裏付けや契約書、事業計画書などを提出することで、金融機関が口座を作ってくれ易くなりますので、ここは是非、覚えておいてください。
◆事業年度と税の申告について
次は会計部分の比較です。
まず個人事業の場合は、会計年度は必ず決まっています。1月1日から12月31日までの会計を、翌年の2、3月に申告することとなります。の確定申告については、書類をご自身で作ることも可能です。青色申告会に代表されるような無料のサポートも受けることができます。
一方で法人の場合、会計年度は様々に設定できます。日本の大企業は4月1日から翌年3月31日までという年度の設定が多いです。それから2ヶ月後までに税務署への申告と税金の納付を済ませる必要があります。
この書類を決算書と言いますが、通常30枚程度のボリュームがある書類になります。これをご自身で作成して税務署とやり取りすることは非常に困難であると言えます。多くの法人はこれを税理士、会計士に依頼することとなります。相場は事業規模にも依りますが、開業1年目であまり動きの無い法人であったとしても20万円前後の手数料が必要となります。
①個人事業と法人の相違とメリット&デメリット
個人事業主とは、自分で事業を営む個人のことを言います。一般的には「屋号」を持って営業することが多いです。飲食店としての「○○屋」や、建設業としての「○○サービス」など、株式会社や合同会社といった名称の付いていないものを通常、屋号と言います。
一方、法人とは、何でしょうか。これは法人格という言葉があるように、1つの別人格ができるものとするとわかりやすいです。従って、社長さん個人と法人のお財布は別になります。この相違と、かかる税金が所得税と法人税に分かれることから節税という話が出てきます。また法人については法務局がその管轄省庁となります。
<事業年度と税の申告について>
会計部分の比較ですが
まず個人事業の場合は、会計年度は必ず決まっています。1月1日から12月31日までの会計を、翌年の2、3月に申告することとなります。の確定申告については、書類をご自身で作ることも可能です。
一方で法人の場合、会計年度は様々に設定できます。日本の大企業は4月1日から翌年3月31日までという年度の設定が多いです。それから2ヶ月後までに税務署への申告と税金の納付を済ませる必要があります。この書類を決算書と言いますが、通常30枚程度のボリュームがある書類になります。多くの法人はこれを税理士、会計士に依頼することとなります。
◆メリットとデメリットの比較
実際に開業を考えた時にはどちらを選べば良いでしょうか?
業種に依って一概には言えませんが、まず1つの判断ラインとして、年商800〜1,000万円を越える場合は、法人であった方が節税メリットを得易いということが言えます。
法人には維持コストがかかります。前述の決算を税理士、会計士に依頼することもそうですが、法人住民税として黒字赤字に関わらずに年間7万円弱かかるものもあります。この2つを勘案すると、仮に何も活動しない法人があったとしても年間30万円程度のコストがかかるということです。これを上回るメリットとして節税ということを考えます。
節税の方法としては、色々な方法がありますが、基本的には『経費として計上できる幅が広がる』ということと、『法人税の方が所得税よりも安い』ということを中心にして考える物です。ここについては経営者自身が、法人の仕組みを詳しく理解している必要があります。(もしくは専門家の力を上手く使いましょう)
また個人事業と法人とでは、その信用力が違います。取引先に良く見られたい場合、やはり個人か法人かという違いが大きいです。
さらに、これは取引先から見た時の話ですが、法人と個人の一部取引には源泉所得税の納付という話も出てきます。現在10%程のこの税金ですが、納付の義務は法人にあります。つまりこれを計算し納付しなくてはならないので、法人としてはなるべく法人同士で付き合いたいという思惑があるのです。
これらを総合的に比較して、個人事業か法人か、ご自身に合った開業の形を決めましょう!
<様々な法人形態>
これから事業を行うにあたっては、大まかに4つの法人の形を検討することができます。株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人の4種類です。通常の事業を行う法人としては、株式会社か合同会社の選択肢になります。最初にこの2つの形態を比較します。まずいずれの法人も、法的にも税制的にも違いはありません。ただし大きく違うのが下記の3点です。
・設立時にかかる費用(株式会社は20万円、合同会社は6万円)
・合同会社については決算公告の義務が無し
・株式会社は株式の発行による資金調達が可能
かかる費用は株式会社の場合は、公証役場での定款の認証料が52,000円、また登記の際の登録免許税が150,000円かかります。一方の合同会社は、登録免許税が60,000円かかるのみ、定款の認証は不要です。
<特殊法人>
次に、一般社団法人とNPO法人です。これらの特徴は株式会社と違い、営利を目的としない法人であるということがポイントです。ただし、理事(株式会社で言う役員に相当)等への報酬を出すことや、人件費や経費を計上することは通常の法人と同じようにできます。なお設立にあたっては、一般社団法人の設立は、株式会社と同じです。公証役場での定款認証と法務局への登記を行います。
NPO法人は、他の法人に比べて特殊です。一点、行政の許可を得て設立されるのがNPO法人の大きな特徴です。また社員が10名必要であり、報酬を受けられる役人の数も限定されます。一般社団法人に比べるとより、ボランティア的な、公益性の高い事業を行う場合に向いていると言えます。
関連記事⇒「法人形態の種類 」
②資金調達
事業を行うにあたって、資金のことを考えることは、改めて言うまでも無く重要です。ではそれを調達する方法はどういったものがあるでしょうか?銀行からの融資、国からの補助金&助成金、投資家からの出資、また友人や親族からの借入など、様々考えられます。
<銀行からの融資>
創業期に受けられる銀行からの融資は大きく2つのパターンに分かれます。『日本政策金融公庫から受ける新創業融資』、『信用保証協会付きの、各金融機関からの融資』です。日本政策金融公庫は国が出資している特別な機関であり、各金融機関についてはメガバンク、地銀、信用金庫等のすべてを含めたものです。
日本政策金融公庫については、これは近年、特に条件緩和が進んでいます。制度の枠として、最大3,000万円、返済期間は最大15年、利率は2%ちょっととなっています。
信用保証協会付きの金融機関からの融資とは、返済が滞った時、できなくなった時には金融機関が損をすることになるものを、信用保証協会が肩代わり、保証することで可能となる融資です。またこのスキームには、市区町村の補助制度を組み入れることもできます。各市区町村医より相違はありますが、これを利用すれば利子は1%以下に抑えることもできます。
<審査のポイント>
融資申請の採択、審査のポイントは何でしょうか?下記の3つが挙げられます。
・自己資金
・事業経験
・事業計画
これらを総合的に見て、融資可能かどうかを判断されます。なお一期を終えて、決算か確定申告が終わっていれば、その数字を見て可否の大部分が判断されます。
関連記事⇒「上手な銀行との付き合い方マニュアル(お金を借りるにはコツがあった!?) 」
自己資金とは、開業までに準備した資金のことを言います。厳密に言うと、開業後に売上として得た資金を自己資金とすることはできません。また公庫については、こちらは個人通帳を遡って、ご自身が準備した資金であるかどうかをチェックされます。事業経験については、開業する事業内容と同内容、同業界の経験があるかどうかということです。ここで言う経験とは、アルバイトか社員としての勤務の年数のことを言います。
最後に事業計画です。事業計画書という書面で見るものと、面談によって見られる部分があります。いずれも計画であることから、正解はありません。ただし金融機関が見るポイントは、主に事業に対する情熱、それから経営者としての自覚です。融資をする以上、彼らが懸念するのは事業の継続性と、それから返済の確実性です。これらを推し量る意味で、事業に対する情熱は、非常に重要なポイントとなります。
<国からの補助金&助成金>
国からもらうことのできる資金を、補助金&助成金と言います。これらは原則、返済不要です。(利益が出た場合は返還の義務というものもあります。)もらうためには、様々な条件があります。また経済産業省管轄のものを補助金、厚生労働省管轄のものを助成金と表現することが多いです。創業期で利用可能な補助金は「創業補助金」と「小規模事業者持続化補助金」の2つです。
補助金については、これはまず考えなければいけないのが、使ったお金に対する補助としてもらえるものである、ということです。例えば、創業補助金については、300万円を使った後に、200万円の補助、となります。また各補助金、共に資金使途が限られています。創業補助金に関しては、地代家賃や人件費が対象となるのに対して、小規模事業者持続化補助金については、広告宣伝費のみが対象経費となります。この対象経費と、使わなければならない金額のバランスは非常に重要です。実際の資金使途が無いのに、補助金の採択を受けてしまうことは、結果的には損になりかねません。
<投資家からの出資>
投資家とは個人もあれば、ベンチャーキャピタルもあります。投資の条件は様々ですが、通常は事業が上場できるかどうか、という面でその価値を判断します。純粋に資金のみを供与するものもあれば、担当者が役員として入るようなケースもあります。
実際の起業でよくあるケースとしては、個人で300-500万程度の資金を投資として拠出するということがあります。その見返りとして提供するのは、株式がほとんどですが、稀に社債を発行して利子をつけて返済するという形も取られます。ベンチャーキャピタルになればこれはほぼ株式を求められます。こういった資金調達方法を取る場合は、株式会社の方が、合同会社よりもやり易いと言えます。
関連記事⇒「VCにすぐお金を入れてもらうのってどうなの?メリットデメリットを考えてみた。」
また最近では、クラウドファンディングという方法も、資金調達方法として注目が集まっています。これはインターネット上で多くの方々からそれぞれ少額で資金をもらう代わりに、自社のサービスや企画を提供することで、応援してもらうというイメージで資金を集めるものです。
2015年5月より法改正が施工され、投資型クラウドファンディングについての参入要件の緩和が行われております。発行総額(1億円未満)や投資者1人当たり投資額に上限(50万円以下)を設けることで、これまで主流となっていた「寄附型」「購入型」のクラウドファンディングのみでなく、「投資型」の流通を図るための制度整備と言えます。「寄附型」「購入型」クラウドファンディングが、あくまで多くの見返りを求めない投資者に依るものだったものが、企業の成長性や、上場可能性まで含めて、投資家目線でのクラウドファンディングが拡大していく可能性があると考えられます。
※本記事の提供元はこちら
【参考/引用】
◆助っ人
個人事業と法人の違いを超わかりやすく解説
投稿者プロフィール
- パラレルキャリア通信編集部です。主に複業(副業)の方向けの記事を書いていきます。ノウハウ記事をはじめとして、実際に一歩踏み出せるための記事も提供していきます。