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パラレルキャリア通信・南アフリカ在住ライターの村上萌です!
キャリア関連書籍からパラレルキャリアに活かせる視点からご紹介するシリーズ、第2弾!今回ご紹介するのはこちらの本です。
『2020年 人工知能時代 僕たちの幸せな働き方』(藤野貴教著, 2017年)
「人工知能時代」を生き抜けるのか、そもそも不安
前置きとして、この本を選んだのには自分自身もこれからより本格的に波が押し寄せるであろう「人工知能時代」に不安があったからです。
・ AIが行うようになる仕事ってどんなもの?
・ 逆にどんな仕事であれば人間にはこれからも活躍できるチャンスがあるのか?
・ AI時代にパラレルキャリアを歩む人たちは何を見据えていけばいいのか?
など、心配やこれからのキャリア選択において人工知能との関わりは必至であり、とりわけ個人で働き方の判断をしていく比重の大きなパラレルキャリア実践者にとっては、それぞれがどのような行動や考え方が求められるのか気になるところ。
そこでここからは、この本の大まかな内容、キーワード、パラレルキャリア実践者に活かせる視点についてまとめていきたいと思います!
人工知能が「当たり前」になるのは2020年。目の前の未来をどう生きる?
まずは簡単に、この本全体の所感をご紹介していきましょう。大きな流れは以下の通り。
・ 人工知能の現在(AIが何かというところから、現在の活用方法や展望までを紹介)
・ AI活用が進む中で、個人はどのような働き方を求められるのか?
・ AI活用が進む中で、リーダーシップはどうあるべきか?
・ 人工知能時代の新しい働き方とは?
働き方の変化やリーダーシップについては、組織の中での在り方が中心ではあるものの、現在までの働き方やその課題と、AI導入が進む中で変化するポイントを解説してくれており、多くの人にとってこれからの働き方を模索するヒントとなる内容です。
心の中で「…とは言っても、AI活用が定着するのなんてまだまだ先じゃないの?」なんて私は思っていたのですが、本著を読み進めると危機感溢れるコメントも。
全てのテクノロジーは、「生まれて5年から7年で人々の生活の当たり前になる」ということが見えてきます。
AIは2013年頃から本格的に活用が進められており、この考え方に基づけば2020年には当たり前の存在になっているというのです。つまり、あと3年。大きな変化の中で私たちは目の前の働き方を変えていかなければいけないというわけです。
AIができない感覚的な領域こそがこれからを生き抜く鍵
漠然とAI時代の働き方を想像すると、「AIをバリバリ活用して、ロジックゴリゴリな仕事の仕方が必要なのでは?」と、私などは思ってしまったわけなのですが、必ずしもそうした働き方がこれから求められるというわけではなさそうです。
本著の中で1つのポイントとされているのが「AIに代替されない、人にしかできない価値」でした。
例えば…
・ 身体性による価値(五感や直感を活かした価値作り)
・ 心を使う仕事
・ 人間らしい会話が求められる仕事
など、AIにはできない感覚的な領域により力をかけられることがAI時代のメリットになると述べられています。
また、そのようなメリットについて下記のような捉え方も述べられています。
「AIが人間の仕事を奪う」という捉え方ではなく、「どの仕事をAIに任せたら、人間はもっと価値の高い仕事に時間をあてることができるか」を考えることが本質です。
価値の高い仕事とは、「そもそもの課題を考える」「戦略を立てる」「仕事相手との人間関係を構築する」といったことになるでしょう。
もちろん単純作業などはAIが対応できるようになるので、分野によっては「人間の仕事を奪う」という観点は間違ってはいませんが、AIのおかげで私たちがよりチャレンジしたい仕事に力を注げる時代になるとも言えそうです。
チャレンジなくして、人工知能時代は乗り切れない
また、AI活用がより浸透していく中で実践すべきこととして「今までとは反対側にある仕事・事柄にチャレンジすることが大切なのだとか。
営業・販売で言えば、「人と接する」ことの反対にある「データと仲良しになる」仕事。(中略)技術では、「論理」の反対にある「感性・直感」の能力を活用する仕事。
テクノロジーが大きく変化する中で私たちができるのは、前例や確固たる根拠のないことへも実験的にチャレンジすることです。そういう意味では、パラレルキャリアの実践というのは時代に求められている実験的な生き方のようにも感じますね!
人工知能時代のパラレルワーカーのライフハックとは?
今回ご紹介したポイントを整理すると、人工知能時代にパラレルキャリアを実践するためには、下記のようなポイントを押さえておくと良いかもしれません!
(1)AIに奪われる領域の仕事から脱却しよう!
まずはAIに奪われてしまう領域からは脱却すること。冒頭でご紹介した通りAIはあっという間に当たり前の存在になりつつあります。
(2)「人にしかできない価値」を生み出すor活用した仕事スタイルにしよう!
感覚的な領域そのものをサービスとすることはもちろん、人間の感覚があるからこそできるより高度な問いの設定や、人への働きかけを活かした仕事がより求められるようになります。意識的にこのポイントを仕事に取り込むと良さそうです。
(3)人を動かしたり、コミュニティを作ることで「人にしかできない価値」の輪を広げよう!
これは(2)の内容に付随してですが、共感などに基づいて誰かを巻き込んで仕事をしていくことも人間ならではの行動です。自分が仕事を受注するだけでなく、プロジェクトを動かしたりする機会を増やすことで、これからの時代の働き方が充実するかもしれません。
(4)常識を疑い、新しいことにチャレンジしよう!
感覚的・直感的な部分を活かしながら、これまでになかった事柄・仕事の進め方にチャレンジしていくことで新しい価値を生み出すことができる時代にますますなりそうです!
さいごに
パラレルキャリアと言っても、在り方は人それぞれなので全てを括って言うことはできませんが、人工知能時代との向き合い方としては、実はめちゃめちゃ有効な働き方なんじゃないの?!と今回この本を読んで密かに思ったところもあります。
複数の領域や働き方に足を踏み込んでいるパラレルワーカーだからこそできる発見ってすごく多いと思うんです。そうした、これまでの常識からは生まれ得ない経験則やアイデアそのものが、これからの時代の武器になりそうですね。
ワクワクしながら、私もチャレンジを続けていきたいな〜と思った次第でした!ではまたっ!