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パラレルキャリア通信・南アフリカ在住ライターの村上萌です!
学生時代からキャリア関連の勉強をし、社会に出てからも人材会社でキャリア支援を行ってきたこともあり、今でもキャリア関連の書籍をよく読みます。こうして、パラレルキャリア通信で執筆する機会をいただいているので、せっかくですから定期的にオススメのキャリア関連書籍をご紹介していきたいと思います。
今日はその第一弾!!ご紹介するのはこちらの本です。
記念すべき第一回は、『時間と場所を選ばない パラレルキャリアを始めよう!』。まさに、パラレルキャリア通信にぴったりの1冊です!
『時間と場所を選ばない パラレルキャリアを始めよう!』 概要
この本の中ではパラレルキャリアの定義を以下のように述べており、この定義に即したパラレルキャリアを実践するための機会やサポートを提供してくれる団体の実例や、個人の取り組みを紹介してくれています。
パラレルキャリアとは、会社勤めなどの本業をしっかりと持ちながら、本業以外に社会活動を行う新しい生き方であり、仕組みである。
企業に勤めるなかで閉塞感を感じていたり、単調な仕事を繰り返すのではなく新しい何かに挑戦したい、社会貢献分野においてこれまで培ってきた力を活かしてみたいなどの思いに沿って、どのように企業人として以外のキャリアも作り上げていくのか、さまざまな観点で知ることができます。
また、企業側の視点として、人材育成や新規事業開発のために、パラレルキャリアという発想を活かせないかというスタンスからの取り組みを知ることも可能なのは面白いところ。
何かきっかけをつかんで、パラレルキャリアを始めたい人にとっては、具体的なヒントが満載の一冊と言えるそうです!
(出典:ぱくたそ)
読んでなるほど!パラレルキャリアの在り方・メリット、知ってほしい3つのポイント
今回読んでみて実例を知ることができた、という点以外にも改めて「パラレルキャリアってどんなキャリアなの?」という点がクリアになった気がしています。
そこで個人的に気になったポイントを3つ、ご紹介したいと思います!
(1)パラレルキャリアは、常に複数のキャリアの柱を持っていなければいけないわけではない!
このポイントは私にとって、とても新鮮に感じられました。というのも「パラレルキャリア」という言葉へ「常に複数の仕事を掛け持っている状態」という先入観が少なからずあったからだと思います。
しかし、今回紹介される事例のなかには、1プロジェクト数ヶ月程度で終了するプロボノに参加する、というかたちのパラレルキャリアのケースも数多く登場していました。
このようなパラレルキャリアの場合、常に複数の柱を持ち続けるだけでなく、一定期間「複業状態」になることで、軸足となっている方の仕事にもそこでの経験が還元されます。そしてまた、次のタイミングで複業状態になり、また還元され・・・と「スパイラル状のキャリア形成」がされていくという感覚を、紹介される事例から感じ取れたのは新しい発見でした。
「常に複業」となると実際のところハードルが高く感じられて躊躇してしまう方も多そうですが、プロボノなどで定期的にパラレルキャリアの状態を作るという選択肢はパラレルキャリア初心者にとっても、とても良いスタイルかもしれません!
(出典:ぱくたそ)
(2)異業種、年代を超えたメンバーでチームを組むことで得られる学び・成長
ある企業が研修として導入したプロボノプロジェクトの成果発表会で聞かれた声として、下記のような内容が紹介されていました。
本業に直接的に役立つ学びがあったこと。チームのメンバーが異なる業界、文化、職種を背景にしており、年齢も20代から40代までバラバラで、そのような多様性からの学びがあり、さらに会社では体験できない新規事業の立ち上げ企画であったため、正解がなく羅針盤もない世界だった。その世界をリアルに体験できたことが、今後の本業に役立つ
1つの企業に勤めるというキャリアでは得られない、業種や年代を超えた交流や協業、また新規事業立ち上げというチャンスへの挑戦が、非常に良い刺激になっていることがうかがえます。
加えて、本を読み進めるなかで、このような経験を通じてキャリアチェンジのチャンスを掴むケースも出てきます。
パラレルキャリアの経験を通じて、多様な価値観に触れながら仕事をする機会をきっかけに、固着化した価値観を1つの企業で味わい続けるよりも転職がしやすくなるという指摘もあり、確かにその通りだと思わずにはいられませんでした。
さらに、自分自身がプロボノのプロジェクトを運営する支援者側に回るケースもあり、パラレルキャリアを実践するからこそ得られる選択が確実に存在することを感じさせる内容が非常に多かったのが印象的でした。
(出典:ぱくたそ)
(3)「キャリアブレイク」がもたらす効果
また、キャリアの時間軸を自分で柔軟に設定できる人は、いきいきと働けるという点について説明がされるなかで、「キャリアブレイク」という考え方が登場。この点もパラレルキャリアを実現する上で、とても面白い考え方だと感じられました。
「キャリアブレイク」とは下記のように定義され、出産・育児やその他の理由で、就業とは異なる経験をし、再び就業した際にその期間の経験を役立てるという捉え方なのだそうです。
その後のキャリアにつながるよい経験ができたと本人が主観的に考えている離職期間
この発想は、パラレルキャリアにつながることはもちろん、1つの企業で勤め上げるという旧来的なキャリアの在り方への凝り固まった考え方を、ほぐしてくれるスタンスにも感じられました。
個人的には、配偶者の海外転勤により正社員の仕事を辞して南アフリカへ来ていることもあり、とてもとても共感した部分でもあります。実際に私はこの国へ来てから、クラウドソーシングでのライターや、NPOでのボランティアをスタートし、キャリアブレイクがパラレルキャリアのきっかけになった1人です。今回この箇所を読んで、「こういうキャリアもあり!」と背中を押してもらえた気分です。(笑)
「特別な人」じゃなくても実現できる、パラレルキャリア
最後に今回この本を読んで感じた、一番伝えたいことで締めくくりたいと思います。それは「特別な誰かじゃなくても、パラレルキャリアを実現するチャンスがある」ということです。
特別なスキルや経験がないとできないのではないかと、パラレルキャリアへの挑戦を尻込みをしてしまう人が多いかもしれません。しかし、若くてまだまだ具体的な業務経験がなかったとしても、自分にこれだ!という武器となるようなスキルがなかったとしても、きっかけさえつかめばチャンスはいくらでもあることを、この本からは感じることができます。
(出典:ぱくたそ)
特に、自分が0から新しいことを立ち上げようというケースばかりではなく、本著で紹介されているようなプロボノなどの機会を提供してくれる中間支援団体を利用することで、客観的に見てあなたの経験や能力を活かせる場をマッチングしてもらうなどの手段はとても良いきっかけになりそうです。
以上のように、これからパラレルキャリアを実現したい方はもちろん、「今の自分のパラレルキャリアは今後どんな未来につながっている?」と考えを整理するにも役立つことと思います!是非、みなさんも読んでみてくださいね。