前回は、日経BP社が『共働き社員が子育てしやすい企業』のランキングの概要をお伝えしました。
【調べてみた!】共働きが子育てしやすい企業 ~前編~(パラレルキャリア通信 2016年12月8日)
今回は前編でお伝えできなかった部分、
「実際にランクインした企業の環境」を調べてみました!
※実はここが一番調べたかった所!
◆ランクインした企業の環境を見てみよう!
ランクインした20社が男女が等しい立場で仕事にも育児にも関わることのできる環境をどのように提供しているのか?調べが付く範囲で、調べ切りたいと思います!
トップ3位のサントリー、丸井、ダイキンに関しては今後連載企画で特集が組まれるとのことなので、この3社以外の企業を調べてみたいと思います。
*数は多いので今回はそのうち半分の6社を取り上げています。
<日本生命保険>
生保レディの方も多く、女性比率の高い会社。
この会社の子育てに関する制度としては
・「産休制度」
産前、産後に取得可能
・「育児休暇制度」
お子様が1歳6カ月到達日の翌日以降最初に訪れる3月末まで、育児休業を取得できます。(一定要件を満たした場合)
・「ファミリーサポート休暇」
家庭生活の充実のために、有給の特別休暇を取得できます。
(ex.お子様の学校行事への参加等)
※正社員当用の方で、勤続1年以上の方が対象
・「保育所利用補助制度」
小学校就学前のお子様を養育し保育所を利用している場合に補助を受けることができます。
※1ヶ月を通して保育所を利用した月に、原則1万円(勤務年数1年未満は月5千円)の補助を受けることができます。
(対象のお子さま1人につき原則36ヶ月補助)
(一定要件を満たした場合)
などがあります。
<ピジョン>
1999年に東京都より両立支援賞を受賞した経歴を持つピジョン。2015年8月には 本社内で子育て中の女性社員の労働環境を整備することを目的として「授乳・さく乳室」も設置しています。
※この施設は社員のみならず、地域・社会貢献活動のひとつとして、本社近隣で勤務する子育て中のママや、近隣に居住するママと赤ちゃん等が利用可能としている
育休に関しては
「育児休業法」の施行以前から1年間の休業取得を認めており、女性社員の育児休業はそもそも「当たり前」としている環境があります。
しかし、男性の育休取得実績がなかったので、2006年2月から1か月間有給で育児休暇を取得できる「ひとつきいっしょ」という制度を導入し、3年間で15名の男性が取得。2016年1月時点では男性の「ひとつきいっしょ」取得率が100%に達するなど、先駆的な取り組みと実績をあげている会社です。
他にも不妊治療も目的とした休職制度「ライフデザイン休職」、女性の早期復職支援制度、待機児童保育費用援助制度など、出産後の復職支援にも力を入れている企業です。
<大和証券>
HP内でも「女性活躍支援とワークライフバランス」を大々的に取り上げています。Daiwa Waman’s REALというタイトルのページを持ち、仕事と育児の両立の支援制度について丁寧に説明されています。
大和証券グループでは、2005年に「女性活躍推進チーム」を立ち上げ、女性が結婚・出産後も働き続けられるよう育児支援制度など職場環境の整備に取り組みをしています。
また、下記のような制度も設けられています。
・「育児サポート休暇」
男性社員も育休が取得しやすいように育児休職のうち2週間以内は、育児サポート休暇として「有給」で取得できる制度
・「復職サポート」
休職前や復職時に面談を実施して、社員が活用したいと考えている育児関連制度など復職後の働き方について希望をヒアリングしています。復職する際にスムーズに戻ってこれるような体制づくりもしています。
・「お祝い金200万円」
社員やその配偶者が出産した際に出産一時金が支給されています。第3子以降の出生に対しては、なんとお祝い金を200万円も支給しています。
その他にも結婚や結婚相手(配偶者)の転勤に伴って、転勤ができる制度(すでに180名が利用)や海外転勤先や国内転勤先で勤務地がない場合に休職を取ることが可能な制度など、さまざまな制度が充実しています。
<三井住友銀行>
三井住友銀行は、2008年にダイバーシティ推進室を発足させ、「多様な人材が能力を最大限に発揮できる職場作りを通して、企業業績の向上を図る」という方針を打ち出しています。特に近年注力しているのは女性の活躍推進。2015年3月18日、「ダイバーシティ経営企業100選」に三井住友銀行が、「なでしこ銘柄」に三井住友フィナンシャルグループが選定されています。
育児休暇取得者数は2014年度の数字ですが1428名(2013年:1097名 2012年:865名 2011年:656名)の方が取得されています。
など多彩な制度を取り揃えています。
さすがは大手企業と言うべきでしょうか。銀行という業界柄、女性従業員もかなり多い中で様々な取り組みをしているようですね。
<肥後銀行>
1879年、明治12年に第百三十五国立銀行としてスタートした熊本市内にある地方銀行の肥後銀行。県内シェアは高く、肥後銀行をメインバンクとする県内企業は6割ほどになるそうです。(wikipedia調べ)
・事業所内保育施設「ひごっ子の森保育園」の開園
・人事部内に女性活躍推進室を設置して産休前の女性の面談の実施
・育休期間中に先輩ママを交えて、育休取得者同士の懇親会の実施
・育休復帰後に「業務研修」、「両立支援研修」の実施・定期内に「行内パパ・ママセミナー」を開催
などなど様々な取り組みをしています。
なんと2018年3月22日には平成27年度「熊本市子育て支援優良企業」にも認定をされています。
<セイコーエプソン>
誰もが知っている複合機やコピー機などのメーカー、セイコーエプソン社では厚生労働大臣が認定している次世代育成支援対策推進法(略:次世代法)に基づいて子育て支援を行っています。
・母性健康管理マニュアルなどを掲載。
・経営層と女性社員による「仕事と育児の両立について」対話会を実施中
・出産育児期に妊娠届(コミュニケーションカード)制度の導入
・女性社員にアンケートを実施し、ベビーシッターサービスを利用する場合、一定時間まで会社が全額補助する制度を導入。
※事業所近くにキッズルームを設置
2005年10月本格導入 (月15時間まで1時間1,380円の個人負担で利用が可能)
2015年10月から月16時間まで無償化
など、こちらの企業でも様々な取り組みを行っています。
2005年に制定された「次世代法」の一定基準を満たした会社に送られる「くるみん認定」を07年、09年、12年と3期連続で認定を受けており、より高い水準で見たいしている会社が認定される「プラチナくるみん認定」を受けています。(平成28年9月末で認定を受ける会社は106社のみ)
◆まとめ
いかがでしたでしょうか?
男女ともに働きやすい環境の追求は日本にとっては重要なテーマだと思います。女性の社会進出が叫ばれ、労働環境などの改善などは進んできてはいるものの、家庭との両立というところには男性の労働環境の変化も必要です。
日本社会では基本的には「男性」を中心として仕事の環境が構成されているので、そこに「女性」に加わってもらうというよりも、男性も含めて働き方の再構築が必要なのではないでしょうか?
こういった大手企業の取り組みを参考にもっともっと考えていきたいですね。
日経DUALではこのランキングをきっかけに今後も8回に渡って連載をしていくようです。
引き続き追っていきたいと思います。
次回はの残り6社の状況を調べてみたいと思います!
【参考/引用】
◆各会社HP
◆厚生労働省
くるみんマーク・プラチナくるみんマークについて
投稿者プロフィール
- 「やりたい」をもっと素直に実現したい!5年勤めたヘッドハンティング会社を16年7月に辞めて、現在は就活サポート・若手社会人のお悩み相談を受けています。新しい働き方のトレンドやまとめ記事など多種多様にブログで発信していきます。
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