『モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには』が教えてくれる、自分らしく働くために必要な準備とは?

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パラレルキャリア通信・南アフリカ在住ライターの村上萌です!

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キャリア関連書籍からパラレルキャリアに活かせる視点からご紹介するシリーズ、第3弾!今回ご紹介するのはこちらの本です。

 

『モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには』(本田直之・四角大輔著, 2017年)

 

 

そもそもモバイルボヘミアンという生き方って何?

著者である本田直之さん、四角大輔さんは生き方や働き方について数々の著作があり、SNSなどでの発信も積極的に行っているオピニオンリーダーなのでご存知の方も多いのではと思います。

 

そんな彼らが今回の著作で提唱しているモバイルボヘミアンという生き方。そもそもどういうことなのか?まずはご紹介しておきましょう。

 

モバイルボヘミアンとは、仕事のために生きるのではなく、自分の好きなことをライフスタイルの中心に据えながら、旅するように働き、暮らす、自由な生き方のこと。「自分らしくいられる時間をできるかぎり長く持つための方法」であり、「仕事、表現、生活のクオリティを極限まで引き上げるための考え方」とも言える。出典:『モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには』, 本田直之・四角大輔著, 2017年

 

本田さんはハワイ、四角さんはニュージーランドに拠点を置き、日本やその他の国にも足を運ぶ機会も多いライフスタイル。それぞれ大事にしたい環境やその土地だからこそできることを実践しながら、生活と仕事が限りなく融合させていることで、この「モバイルボヘミアン」という定義に行き着いたのだな感じます。

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(出典:ぱくたそ)

 

 

パラレルキャリアに関心がある方にもオススメ!具体的な方法論が詰まった1冊

はじめにモバイルボヘミアンの定義を読んだ時には、企業に属することなくフリーランスで仕事をしている方が取り入れられる話が中心かな?と思ったのですが、最後まで読んでみると…

どんな形であれパラレルキャリアを実践している方や、これからパラレルキャリアを実践したい方には非常に有益な話の数々が紹介されている本でした!



話の流れとしてはモバイルボヘミアンとして生きるには?という軸で語られているものの、
これからの時代を生きるための働き方に関する考え方
・これからの時代の収入源の在り方とライフコストに関する考え方
・自分のオリジナリティを高めた仕事を生み出す方法
・最新のテクノロジーの活用した仕事術

 

など、実体験に基づいた有益且つ、ワクワクするお話が満載です。「パラレルキャリアとか、新しい働き方に興味があるけど、実践はまだちょっと…」という方にも読みやすく、そして少し背中を押してくれそうな1冊だと思います。
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(出典:写真AC)

 

 

キャリアは1日にして成らず。準備期間が成否を分ける

では、私が今回読んでいて特に気になったポイントをご紹介できたらと思います。

一つ目は、モバイルボヘミアン的な生き方をするためには、準備時間が必要であるということです。

本著の中で本田直之さんは以下のように述べています。

 

ぼくもダイスケも、ハワイとニュージーランドへの移住が実現するまでに約15年という偶然にもほぼ同じ準備期間と実験期間を重ねている。そして今40代後半の2人が、20代の時に描いた理想の生き方を手にしたのは、ともに39歳の年だった。出典:『モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには』, 本田直之・四角大輔著, 2017年

 

2人の共通点は会社員であったこと、そしてこの記述の通り、長い準備期間と実験期間を移住前に持っていたということなどが挙げられます。

この間にテクノロジーの発達という背景があったことはもちろん、この生き方を実現するための仕事経験を重ね、合間を縫ってそれぞれ移住したい場所へ通い、人脈を事前に形成するなどの下準備を重ねられたのだそう。

 

また、彼らは移住実現と現在のライフスタイルを確立するまでに15年かかっていると述べていますが、既にテクノロジーが進化した現在ではもっと短い準備期間でも実現できるはずとも書かれていました。が、あくまで準備が必要なことに変わりはなし!

世代が違うとは言え、私などは昨今の移住ブームを目の前にして「波に乗り遅れそう。」なんて思うことも少なくなかったのですが、著者お二人の言葉の数々に、焦らずに着実に計画を形にしていくことが大切だと感じさせられました。

 

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(出典:ぱくたそ)

 

 

モバイルボヘミアンとして生き抜くためのスキルをどう身につける?

次に、注目したのが準備期間に行なうべきことです。特に時間を使うべきだと感じ、同時に自分にとっても大きな課題であると思ったのがこちら。

 

社会で生きるための基礎となる「ベーシックスキル」をしっかり身につけたうえで、実績を生み出すための「専門スキル」を手にすることだ。出典:『モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには』, 本田直之・四角大輔著, 2017年

 

こうしたスキルを身につけることで、それがモバイルボヘミアンになった際に仕事をしていくことのできる人生のインフラとなると四角さんは説明していました。

 

ここでいう「ベーシックスキル」というのは社会人としてのビジネスマナーなどの基本的な能力。「専門スキル」は自分の特徴となるようなより高度な仕事経験とそこから得た能力というイメージ。

著者のお二人は突出した企業人としての実績を持っているので、そこと比較すると少々自信がなくなる部分ではありますが、自分の思い描く方法でパラレルキャリアを実現するためには確かにこういった計画的なスキル獲得のための辛抱が大切だなと改めて感じさせられる内容でした。

 

また、この内容はフリーランスでやっていく時はもちろんですが、企業に軸足を置いたパラレルキャリアや、働き方が1本に絞られている方でも同様だなと思います。自分の武器となる経験を持つことで、より柔軟に働き方・生き方が選べるんだな…と改めて学ばせていただきました。

 

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(出典:ぱくたそ)

 

 

急ぐなかれ!私が改めて考えさせられた自分の今後のキャリア選択

この本を読んで、私自身も今後のキャリアの築き方を改めて考えさせられています。

以前別の記事でご紹介したのですが、私自身は主人の駐在についてきているいわゆる“駐妻”。その上、帰国も間もなくというタイミング。

南アフリカに来て感じた、『働く』という価値観の変化

 

幸いにして、現在はこれまでの経験を活かした分野のライターとして仕事をいただいており、子育て・NPO活動と合わせて自分のペースでパラレルキャリアを実践していました。

 

しかし、帰国後現在の仕事をベースに仕事の量を増やすか、はたまた企業へ再就職するのか…最近時間があればそのことばかり考えていました。

 

今回の本で触れられていたような「専門スキル」という点は、まだまだ弱いなと思っていたのが正直なところ。

 

じゃあ、その「専門スキル」を伸ばすためにはどういう働き方が必要?そもそもどんな「専門スキル」を今後さらに伸ばしていきたい?というところに改めて立ち返り、今後の働き方をより踏み込んで考えるきっかけとなりました。


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(出典:ぱくたそ)

 

 

 

さいごに

準備期間が大切なモバイルボヘミアン的な生き方。スキルを高めた上でスタートするためには時間が必要ですし、私自身も今はモバイルボヘミアンになろう!と思っているわけではないのですが、良いところは自分のキャリアにも取り入れたいと感じ、たくさんのヒントを得られる本でした。

 

まずはできるところから!ということで、この本で紹介されている具体的なアプリケーションの利用や、関連書籍を読むところから小さな1歩を踏み出してみました。(笑)

 

パラレルキャリア実践者はもちろんのこと、キャリア形成の上で必要な「自分の武器となる経験」の作り方が知りたい方や、キャリアのブレイクスルーの方法が知りたい方など、是非手にとって読んでみてください!

投稿者プロフィール

村上 萌
村上 萌
静岡県・三島市在住のママライター。 東京で人材系企業に営業として勤務した後、2015年に夫の転勤により南アフリカ共和国への転勤をきっかけにライターへ転身。ライター×教育NGOボランティア×子育てのパラレルキャリアを経て、2017年末に帰国。

現在は1歳の男の子を育てながら、働き方やキャリアに関する記事執筆に加え、伊豆地域の文化振興やローカルニュースの発信も手がける。「ローカルキャリア」が目下の関心テーマです!
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