プレミアムフライデーの課題に目を向けよう

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(出典:ぱくたそ)

本日6月30日はプレミアムフライデーが始まって5回目にあたります。

※プレミアムフライデーが何か?ということは前回記事でまとめてますので見てみてください。

【新しい働き方】プレミアムフライデーって何?

各種批判記事なども色々出ているみたいですね。

 

「プレミアムフライデー、3人に1人が参加」 自画自賛広告に疑念。『早く帰らなくてもOK』になぜかすり替わってる(HUFFPOST)

消費促進「プレミアムフライデー」に批判の声殺到!午後3時以降に退社は一部だけやん!!(エンタメニュースの知恵袋)

 

など色んな批評がされています。

個人的にはプレミアムフライデーの元の考え方「働き方改革」をしていくという考えは悪くないと思うので、課題や批判を考察して、どう改善していくのか?という所を考えていくべきだと思います。

 

という訳で、今回は現状の課題・批判から、どうしていくべきなのか?

ということについて触れていきたいと思います。

 

 

 

◆プレミアムフライデーの課題、対する批判

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(出典:ぱくたそ)

いくつか課題・批判は存在しますが…

・月末金曜日15時に早帰りは無理!
・小売業・旅行業など一部の業種は対象とされていないような制度
・論点をずらしていないか?

今回はこの辺りを取り上げていきたいと思います。

 

 

月末金曜日15時に早帰りは無理!

この辺りの指摘は個人的に「ごもっともw」と思う部分ですね。
営業目標を追っている営業マンたちは必至に月末金曜日は数字を追いかけているケースが大半です。

またその後の〆作業をしているバックオフィス業務をしている人も忙しかったり…。

 

以前記事でも書きましたが、プレミアムフライデーを導入している会社はまだまだ少ないので、15時で退社できるだけの体制が整っていない所がほとんどだと思います。

『月末金曜日』

というのは確かにあまりイケている曜日ではないと思うので

『月初の金曜日』や『第二週目の金曜日』

など比較的落ち着いている時期にすべきでは?と思っています。

 

プレミアムフライデーは始まったけど…

 

 

小売業・旅行業など一部の業種は対象とされていないような制度

ここの部分はそもそもプレミアムフライデーが意図する部分に問題があったかもしれませんね。

 

プレミアムフライデーの目的は…

『毎月末の金曜に消費活動を促す』→経済活動を促す

『月末の金曜日は、早めに仕事を終えて、豊か・幸せに過ごす』→働き方改革としてリフレッシュできる時間を作る

という一見すると一石二鳥のような取り組みに見えます。

 

しかし、指摘されているように、『月末金曜日』と固定してしまっているが故に
一部の小売業・旅行業・飲食店などの従業員にとっては15時退社などありないことになってしまいます。

 

 

論点をずらしていないか?

HUFFPOSTの記事で指摘されていますが

『月末の金曜日は、早めに仕事を終えて、豊か・幸せに過ごす』ということを15時退社を促して実践していく!というのが当初の目的だったはずなのに、いつの間に『早く帰らなくても豊かで幸せに過ごせていればOK!………?』というような論点が微妙にズレて言っている部分は確かにあるようです。

「プレミアムフライデー、3人に1人が参加」 自画自賛広告に疑念。『早く帰らなくてもOK』になぜかすり替わってる(HUFFPOST)

※他にも秀逸な指摘をされているので、こちらの記事は是非読んでみてください。

 

 

 

◆良い部分に焦点を充てすぎていないか?

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(出典:ぱくたそ)

プレミアムフライデー推進協議会事務局は5月11日にプレスリリースとしてプレミアムフライデーの実態調査をしていますが、

これがどうも良い部分に焦点を充てすぎている気がします。

~ 4月28日(金)第3回「プレミアムフライデー」 実態調査 ~(プレミアムフライデー推進協議会事務局)

 

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(出典:第3回「プレミアムフライデー」 実態調査)

プレミアムフライデーに取り組む企業が2月20日の120社から5月8日には410社に増え、3倍以上に拡大しました!

と書いてあります。

 

確かに数字上、絶対値としては増えていますが…
日本にある企業数は約180万社社以上あります(総務省統計局調べ)

※データは平成21年度のモノなので、数値は現在では変わっていると思います。

 

全体のわずか0.02%程度しか導入は進んでいないのです。
ここには目をちゃんと向けるべきだと思います。

新しい取り組みではあるので、爆発的に増やすのは難しいかもしれませんが、
巷に流布されている言動などを見れば、月末金曜日15時退社!ということに対して
各々の法人でも導入するメリットなどが見えないのではないのでしょうか?

もっとアプローチ方法については検討し直さなければならないと思います。

 

仮にこのペースで導入が進むとすれば…

3か月で増加率は3.4倍、仮に同じ増加率だとすれば、1年間で増加する企業は1.6万社。
180万社の企業すべてが導入し終えるのに約112年もかかります。

同じ増加率ということはおそらくないとは思いますが、スタードダッシュの段階でこの伸び率は

「よく伸びている!」ではなく「伸び率がイマイチなのでは?」と捉えて改善していく方がいいと思います。

 

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(出典:第3回「プレミアムフライデー」 実態調査)

こちらの公式ロゴマークの申請数も、導入企業が410社ということは大半が商業利用としてのロゴマーク申請であるということなので、消費活動/経済活動としては広がりがあるので、いい話ではあるものの、「働き方改革」につながっているとは言いづらいと思いますね。

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(出典:第3回「プレミアムフライデー」 実態調査)

そもそもネット調査、有効回答数2015人で認知度90%と言われてもなんとも…という感じですが…w

どちらかというと、『回答者の過半数の53.5%賛成と答えている』という部分から「社会の期待が依然として高い」と捉えているのもまた少しズレている気がします。

こちらも確かに過半数ではあるものの、賛成していない人達が46.5%もおり、わずかに賛成が上回っているだけという気がします。

 

むしろ早帰り(15時退社)ってできるならみんな本当はしたいと思う内容だと思います。

そのテーマにおいて、賛成できない人が46.5%もいること自体に課題感を感じて欲しいと思いますね。

 

個人的にはツッコミどころ満載だと思いました。
良いところをフォーカスして、主張したい気持ちは分からないではないですが、批判も多いので、もっと課題点を洗い出していくことを先決にしてほしいと思います。

 

 

 

◆では、どうすべきなのか?

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(出典:ぱくたそ)

ではどうすべきなのでしょうか?

 

私の結論としては

「月に1度15時退社をできる日を通常出勤日にそれぞれの法人ごとに定めて実行すること」

が現状の課題点を踏まえるとこれがいいのではないかと思っています。

 

業界や職種によって月の中でも繁忙期は違います。
十把一絡げみたいに、「月末金曜日!」と定めてしまうとかえってそこに適合していない人達からすれば不満の対象にしかなりません。

 

ただ、業界ごとに足並みをそろえなければ、せっかく休みを取っても

「自分は休みでも友人や家族は仕事…」

というオチで結局楽しめないというケースも予想できますので

業界ごとに協議して決めてみてやってみるのもいいかもしれませんね。

 

 

プレミアムフライデー自体も導入からまだ5回目であり、早晩この段階で「失敗だった!」と決めつけるのは早い気もしますし、

働き方改革そのものは必要だと思いますので、現状で運用しつつも、適宜課題に即応して、追加施策を打ち出していけばいいのではないか?

と考えています。

 

今後もプレミアムフライデーの動きには注目していきたいと思います!

 

 

 


【参考/引用】

◆HUFFPOST
「プレミアムフライデー、3人に1人が参加」 自画自賛広告に疑念。『早く帰らなくてもOK』になぜかすり替わってる

◆エンタメニュースの知恵袋
消費促進「プレミアムフライデー」に批判の声殺到!午後3時以降に退社は一部だけやん!!

◆プレミアムフライデー推進協議会事務局
~ 4月28日(金)第3回「プレミアムフライデー」 実態調査 ~

◆総務省統計局
法人数のデータ

投稿者プロフィール

日比 大輔
「やりたい」をもっと素直に実現したい!5年勤めたヘッドハンティング会社を16年7月に辞めて、現在は就活サポート・若手社会人のお悩み相談を受けています。新しい働き方のトレンドやまとめ記事など多種多様にブログで発信していきます。
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