Oターンから見る地方転職の裏側

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突然ですが…

 

Oターンって言葉を知ってますか?

 

1度Uターン就職した若者が、田舎暮らしの刺激のなさや保守性などに嫌気がさして、再び大都市に戻って就職する風潮。コトバンク 「Oターン」

 

最近はUIJターンが注目され、地域おこし協力隊として地方に赴任する方も増えてきています。パラレルキャリア通信のライターさんの中にも地域おこし協力隊に参加している方もいらっしゃいます。

 

地域おこし協力隊として働いてみて

 

「働き方」に関する興味関心度合が高まっている中で、田舎暮らし/田舎で働くということも同様に注目が集まっていると思います。一般的なネットでの情報の大半は肯定的な物が多いような印象を個人的に持っていますが、その一方で存在するリスクや懸念点にもちゃんと触れるべきだと思いました。

 

今回は盛り上がる「地方創生転職」ブームにご用心(東洋経済)から着想を得て、地方転職の裏側の部分にも目を向けたいと思います。

 

 

 

◆地方創生転職のトレンド(U/Iターン)

以前、UターンやIターンをする前に知っておくべきこととして、諸々取り上げました。

Iターン・Uターンする前に知っておくべきこと(お金・生活・仕事) ~背景・お金編~

前回の記事中でも触れていますが、NPO法人ふるさと回帰支援センターの最新のデータによれば

2016年の移住希望の問い合わせは26,426件と2015年の21,584件よりも増加(2015年に比べ22.4%増加)していることが分かります。

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(出展:NPO法人ふるさと回帰センター)

年々増加傾向にあり、U/Iターンに対する興味関心度合は高まっていると言えるかと思います。

 

ただ、今年の傾向として出てきたのは

移住先選択の条件として「就労の場があること」が「自然環境が良いこと」を上回り、地方都市を希望する人の割合が5割になったことから、これまでの「田舎暮らし」だけではない「地方暮らし」という新しい動きが出てきているNPO法人ふるさと回帰センター 「2016年移住希望地域ランキング」

ということです。

 

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(出展:NPO法人ふるさと回帰センター)

長野県や山梨県は直近のトレンドを見ている中でも、移住先として人気があるのはわかりますが、今年は4位に広島、5位に福岡がランクインしています。東京と比較して田舎ではあるものの、地方都市であるこの両都市が上位にランクインしてくるということが大きな変化だと思います。

※福岡は昨年は20位にランクインすらしていません。

 

 

 

◆地方に転職/移住した先でトラブル、そしてOターンに。

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(出展:ぱくたそ)
「都会の喧騒を離れて、田舎でゆっくりのんびり自由に生きたい/働きたい」

という理由で地方転職や移住を検討されている方も少なくないと思います。

 

人手の足りない地方では、当然移住者や転職者などは喉から手が出るほど欲しいと思います。ですので、自然と各HPやwebサイトではいかに地方転職や移住が魅力的なのか?ということをアピールしていることが多いと見受けられます。

 

当然ですが、懸念点やリスク、実際にあったトラブルなどが書かれていることもままあるようです。

例えば…

地方移住に失敗した人たちが語る、田舎暮らしの“影の部分”(週プレNEWS)

知られざる「田舎暮らし」の落とし穴(日刊SPA!)

などなど、意外と探せば出て来るものではありますが、なかなかこういった部分に直接フォーカスが当たるケースは多くないようです。

 

発生してくるトラブルとしては

・田舎独特のルールや慣習に馴染めない、仲間に入れてもらえない

・地元の貴重な仕事である役場の仕事などを取ってしまったことで、地元の人から疎まれる

・地域おこし協力隊に手挙げしたものの、やっている業務は雑務ばかり

などなど色々あるみたいです。

 

トラブルなどが積み重なって、遂には「田舎暮らし」という事自体に嫌気がさして都会に戻ってくる

こういったOターンも実際には存在しているのです。

 

 

 

◆結局のところは…

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(出展:ぱくたそ)

U/Iターン、地方転職/移住などに限らず…

選びたいと思っている選択肢に付いてくるリスク(懸念点)を考えて、道を選ぶこと

が大事だと思っています。

 

 

どんな選択肢にも一定のリスク(懸念点)は存在します。
問題は存在するリスク(懸念点)を踏まえた時に、それを受け入れてでもチャレンジしてみたいかどうか?ということだと思います。

難しいこととしては、実際にU/Iターン、地方転職/移住などをしてみない限り、その実感値は得ることはできないということです。

 

できることとしては、実際に一歩を踏み出すまでに

・地域に実際に足を運んでみる

・ポジティブな意見だけでなく、ネガティブな意見にも耳を傾ける(情報収集をしておく)

・そもそも自分が何故、U/Iターン、地方転職/移住をしてみたいと思っているのかきちんと整理をしていく

などをして、できる限り理想と現実のギャップを埋めていくのが肝心かと。

 

 

個人的にはU/Iターン、地方転職/移住などが、やりたいことの一つであれば、是非チャレンジして欲しい!と思っているので頑張って欲しいのですが、諸手を上げて喜べる事だけでもないので、しっかりと考えて、事前準備をして整えてから一歩踏み出して頂きたいと思っています。

 

 

 


【出展/引用】

◆コトバンク
Oターン

◆東洋経済ONLINE
盛り上がる「地方創生転職」ブームにご用心(東洋経済)

◆NPO法人ふるさと回帰支援センター
2016年移住希望地域ランキング公開

◆週プレNEWS
地方移住に失敗した人たちが語る、田舎暮らしの“影の部分”(週プレNEWS)

◆日刊SPA!
知られざる「田舎暮らし」の落とし穴

投稿者プロフィール

日比 大輔
「やりたい」をもっと素直に実現したい!5年勤めたヘッドハンティング会社を16年7月に辞めて、現在は就活サポート・若手社会人のお悩み相談を受けています。新しい働き方のトレンドやまとめ記事など多種多様にブログで発信していきます。
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